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#地域おこし協力隊

【移住者インタビュー】

 平野 敏満

 熊本県出身、移住前は東京都新宿区、中野区等に居住。
 東京では、司法書士事務所や弁護士事務所
に勤務。仕事をしながらいくつか法律資格を取得した後、東京都新宿区で行政書士事務所を開業し、20年以上行政書士として稼働。

Q0.お気に入りの場所を教えてください。

 ズバリ!両神山です。
しかし、二子山も捨てがたいです。

Q1. 移住のきっかけを教えてください。

 行政書士として活動する中、さまざまな事件を受任し、その案件処理にあたってきました。
そして、許認可業、特に外国人在留資格に関する業務を中心におこない一定の売り上げを達成するようになりました。
 そんな中、慢心したわけではありませんが、あまりたちのよくない外国人の在留資格の仕事をひきうけました。そして、許可まで取得したのですが、報酬を支払ってもらえなかったり、犯罪に巻き込まれる等して事務所経営が危うくなる場面が何度かありました。
 仕事で知り合ったパートナーから、「一緒に山に登ろう」と誘われました。私はそれまでに登山等というものはしたことがなく、「わざわざ何で危険を冒してまで危ないところへ行く必要があるのか」と考えていたくらいでした。
 パートナーから最初に登ろうといわれた山は、秩父三峰の妙法ケ岳でした。登山靴も登山用ウェアも持っておらず、Gパンとスニーカーで登りました。当時の私にとってはかなりきつい登山でしたが、何とか頂上の奥の宮まで登ることができました。くたくたになりながらも、頂上から観る秩父の山々は神々しく、下界での嫌なことを忘れさせてくれ、このときはじめて登山をする人たちの気持ちが解かった気がしました。これをきっかけに、さまざまな山に登るようになりました。そしてある日、パートナーが「日本百名山の両神山に登ってみない?」と言ってきました。高齢の私には無理だろうとも考えましたが、挑戦してみることにしました。

 ところが、ふたを開けてみると、一回目の挑戦ではパートナーが先にへばってしまい、雨も強くなったこともあり、断念して下山しました。そして、その半年後、2回目の挑戦で二人とも無事頂上まで登ることができたのでした。
 その後、秩父の「ジャンダルム」と言われる二子山の西岳と東岳の登頂も果たし、四阿屋山等も登りました。こうなってくると、山だけではなくて、小鹿野町の歴史や文化にも興味がわいてきます。
町自体に興味がわいてからは、山に登らなくても小鹿野町に来ることもありました。町中の古い歴史的な建物を見て回ったり、路地裏の昔懐かしい雰囲気の場所を巡る等、これだけで一日かけてしまうほどでした。こうして、頻繁に小鹿野町に通うようになりました。

 宿泊する時は、国民宿舎両神荘に連泊して、ここを拠点にして登山や町中の探索をしていました。
ある日、パートナーが「小鹿野町が地域おこし協力隊の募集」を、インターネットで見つけました。彼女曰く「採用条件には年齢制限がないから募集してみては」とのことでした。「応募条件として宅建等の資格があること」となっているとのことで、一応、応募資格はありそうでした。しかし、どう考えても高齢者の私が採用になるとは思えませんでした。

 ともかく、だめもとで応募してみることにし、意を決して応募した結果、幸運にも地域おこし協力隊員として採用が決まりました。

Q2. 小鹿野への決め手は何でしたか。

 地域おこし協力隊に採用が決まったことで、移住だけでなく仕事も小鹿野町ですることができるという、この上もない幸運ですので移住しない手はありません。東京にやりかけの仕事はありましたが、躊躇することなく移住を決意しました。

 地域おこし協力隊に着任して、約2か月がたちました。私は、地域おこし協力隊員とは言っても、小鹿野町に移住してきた「移住者」です。日本全国に数多くの自治体がありますが、その中で小鹿野町を選んだのはなぜか。

 実は、小鹿野町の地域おこし協力隊員の応募を決める前に、LIFULLの情報で日本全国の自治体が地域おこし協力隊員の募集をしていることは知っていました。しかし、それまでに何度も通っていた小鹿野町に愛着あり、他の自治体の選択肢はありませんでした。

Q3. 移住後の暮らしはいかがですか。

 小鹿野町の生活インフラは最低限整っており、車さえもっていれば特に不自由はありません。買い物や用事で出かける際には、15分程車で走って町中へ出る必要がありますが、必要なものは手に入ります。したがって、移住者として生活面では満足できているということはできます。

 居住環境としては、現在入居している通称「えみちゃんの家」は、いわゆる古民家であり、大きな建物です。私は、この建物の一階部分だけを使っていますが、一階部分だけで5部屋あり余りある大きさです。また、広い庭があってその向こうには畑が広がっており、家は山々に囲まれていますが、日当たりの良い場所です。また、近くには谷川があって清流が流れています。そして、夜は満天の星空で、東京で長年暮らしてきた私にとっては夢のような場所です。

(通称「えみちゃんの家」)

 私のパートナーが1~2週間に一度、東京から小鹿野町に通ってきますが、彼女もはやく小鹿野町に移住したいと考えています。彼女は写真が趣味で本格的にやっていますが、先日、小鹿野町主催の写真コンテストが開催され、二子山の写真が見事入選を果たしました。

 彼女は、登山ももっとたくさんしたいし、近い将来両神の四季の写真集を出版したいとの夢を持っており、楽しみにして通ってきています。

(敷地内にあるトラクター)

Q4.現在の仕事と、もし、移住者を受けれる機会があれば教えてください。

 私は、もともと行政書士業を生業としてきました。したがって、現在の地域おこし協力隊員としての仕事も、基本的にはこれまでの知識と経験を活かしたやり方で進めて行きたいと考えています。

隊員としての現在の仕事は、イベント会場での空き家相談、各地域集会への参加、役場にいるときは、現場に出るときのためのマニュアル作り、空き家バンク登録を推進するための空き家所有者に対する相談業務等を行っています。

今後は、空き家の所有者の声に耳を傾け、空き家をどのようにしたいのかという本人の意思確認をして、そのうえで、利活用できるものは利活用し、それができないものについては除却(取り壊し)、あるいは国庫帰属制度利用も視野に入れて対処していきたいと考えています。

移住者受け入れに関しては、前述しましたように、パートナーが移住を予定しています。移住してからは、小鹿野町を拠点にして両神山や二子山等の写真集作りにとりかかり、これを出版するための活動をすることになると思います。

ただ、移住者にとっての一番の問題は収入、すなわち、この小鹿野町において仕事が得られるかどうかということです。これは、都市部で生活している人にとって、その収入が多い人ほど、移住を希望しているとしてもその収入格差が障壁となり、なかなか決断ができない大きな理由です。企業のリモート化がもっと進めば、収入を落とすことなく移住できるのですができない場合、移住先での収入で十分に生活はできるということを了知してもらわなければなりません。

この点を解決できれば、移住者が増加して町の人口減少にストップがかかることが期待できると考えています。

Q5  これからやってみたいことはありますか

 空き家問題に取り組んでいるからには、地域おこし協力隊の任期3年の間に何とか空き家問題解消のための道筋をつけたいと思っています。これがわたしに課せられた、後に続く協力隊員のための使命だと思っていますし、任期満了後も定住してこの問題に関わって行きます。

 現実問題として、年々小鹿野町の人口は減少しています。地域の歴史や文化を大切にしなければいけないことはそのとおりですが、長い間、地域に連綿と受け継がれてきた慣習は尊重しつつも、現代社会にそぐわなくなった慣習は、見直さなければならない場合もあります。

 現代社会は契約社会ですので、とくに大事な財産である不動産を売買、賃貸する際は契約書をきちんと作成し、後々トラブルがないようにしなければなりません。そのためには、契約締結の場面においては必ず契約書面を取り交わすようにしたいものです。

 これまでのように、信頼関係のみに基づいた口頭による契約ではなく、法律に基づいて「契約内容を書面化する」という考え方が小鹿野町に定着すれば、私の使命のひとつが実現したことになります。

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