小鹿野町の飯田八幡神社で開催される「鉄砲まつり」は、秩父地方一年の締めくくりの祭です。メインの「お立ち(銃火奉納)」では、参道の両脇からの銃火の中、二頭の御神馬が社殿への石段を一気に駆け上ります。その光景は大迫力で、勇壮そのものです。
◆会場
〒368-0111
埼玉県秩父郡小鹿野町飯田2756
◆開催日
毎年第2日曜日とその前日
2025年12月13日(土)、14日(日)
◆プログラム
12月13日(土)
14時00分 宮参り
14時30分 笠鉾・屋台曳き廻し
16時00分 三番叟上演
19時30分 歌舞伎上演
12月14日(日)
10時00分 祭典・神楽上演(終日)
11時30分 三番叟上演
12時00分 歌舞伎上演
14時30分 火縄銃演武
15時30分 大名行列
16時00分 お立ち神事(銃火奉納)
17時00分 御輿渡御、笠鉾・屋台曳き廻し
17時30分 神幸祭(川瀬神事)
19時00分 煙火奉納
※歌舞伎は進行状況により、上演時間が変更になる場合がございます。
※行事予定は上記を参考にしてください。ちらし内の行事予定から変更があります。

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◆駐車場
臨時駐車場あり(無料・約200台)
小鹿野町(おがのまち)の飯田地方に古くから伝わる「鉄砲まつり」は、埼玉県指定無形民俗文化財に指定されている、秩父地方のお祭りの一年の締めくくりとも言われる祭礼です。
起源は江戸時代にさかのぼるとされますが、記録は残されておらず詳細は不明。かつて鹿や猪による被害を鎮めるための豊作祈願から始まった、あるいは豊猟祈願や猟師の試し撃ちが由来であるなど、いくつかの伝承が今に語られています。

宵宮となる1日目には、宮参り、笠鉾(かさぼこ)や屋台の曳き廻しが行われ、また、こちらも県指定無形民俗文化財である「小鹿野歌舞伎」が上演されます。歌舞伎の演目は、八幡神社が平家方の播磨一族によって祀られたと伝えられるため、源氏が活躍する幕は演じてはならないとされているのが慣例です。
そして祭りが、一番の盛り上がりを見せるのは2日目。上飯田村領主・古田大膳が元文年間(1740年頃)に行列を仕立て参拝したことに始まるとされる大名行列が練り歩き、境内では神楽が奉納されると、夕方、最大の見どころである「お立ち神事」が始まります。

古式の衣装をまとった射手が参道に隊列を組み、先端に紙垂(しで)を付けた長尺の火縄銃を一斉に発砲。それが「お立ち」の合図であり、銃の発砲が奉納行為となる、全国でも珍しい神事です。轟音が響きわたるなか、2頭の御神馬が社殿へ続く石段を一気に駆け上がり、社殿を3周します。

「お立ち神事」が終わると、八幡神を小鹿野にもたらしたと言われる播磨一族による播磨神輿が出て、赤平川上流・八幡淵へ向かう「川瀬神事」が執り行われます。神輿を担ぐ役割を持つのは播磨一党のみという伝統の格式高い行事で、八幡神社例大祭の厳かな面を象徴しています。

